iPhoneの修理依頼内容でポピュラーなものとして「バッテリー交換」が挙げられます。デジタル機器であるiPhoneにとってバッテリーはその全ての機能の源であり、非常に重要なパーツであると言えます。実はiPhoneは「バッテリーだけが消耗品」と言われており、それ以外のパーツはとても長持ちする様に作られています。メーカーによるソフトウェア面のサポートも手厚いため、大事に使えば5年以上の使用にも十分耐えられます。ですが、いかんせんバッテリーだけが消耗品なので早ければ2年ほどで使用が難しくなってしまうこともあるのです。他の部分はまだまだ使えるし、そもそも新機種は高額な上「そんなに高いスペックは必要ない」という方も多く、そういう方の多くが「バッテリー交換」を選択されているのです。
尚、以下の内容は全て当店独自の見解となります。予めご了承の上ご覧ください。また、修理を行っている業者は大別して、メーカー公認の「正規店」とメーカー非公認の「非正規店」に分類できますが、ここでは主に、当店のような「非正規店」における修理ついて説明しています。
バッテリートラブルの修理
まず、バッテリーのトラブルは、大別して以下の3種類に分類できます。
- 容量減少(使用可能時間の減少)
- 出力低下(パフォーマンスの低下)
- 化学変化(バッテリーパック膨張)
上記のトラブルが単発、もしくは複数同時に発生することになります。iPhoneのバッテリーは「リチウムイオンバッテリー」が使われており、概ね「500〜1000回の充電で交換することが望ましい」と言われています。これはリチウムイオンバッテリーの特性上、経年劣化により性能が低下することが原因です。リチウムイオンバッテリーが劣化してくると、上記の「1.容量減少」や「2.出力低下」などの症状が現れてきて、稼働時間の減少やパフォーマンスの低下などで段々不便を感じる様になってきます。更に劣化が進むと「瞬断」と呼ばれる、いきなり再起動してしまう現象が頻発したり、最悪「起動不能」状態に陥ってしまうこともあるのです。
また、稀にある症状として「バッテリー膨張」がありますが、これはバッテリー内の物質が化学変化により膨張してしまう現象で、実はとても危険な症状なのです。というのも、膨張したバッテリーは「発火」する恐れがあり、そのまま放置することは大事故に繋がりかねません。一刻も早い対処が必要なのです。
そして、そんなバッテリートラブルの修理方法は、基本的にすべて『バッテリー交換』となっています。iPhoneを分解して古いバッテリーを取り出し、新しいバッテリーを取付けるのです。こうして新しいバッテリーに交換することで、上記の様なトラブルをほぼ解消することができるのです。
また、当店では、実際にiPhoneのバッテリーを交換している様子を動画で公開しております。興味のある方は是非一度ご覧になってください。
交換用のバッテリー
当店の様な非正規店では、交換用の新品バッテリーとして「互換品バッテリー」を用いています。いわゆる「純正品バッテリー」は、メーカー公認の正規店以外に流通していないので、「互換品バッテリー」を使用せざるを得ないというのが実態なのです。そしてこの「互換品バッテリー」は様々なメーカーが様々な性能のパーツを製造しており、品質はピンからキリまで存在しますが、確実に言えることとして『純正品バッテリーには及ばない』ことが挙げられます。
バッテリーの性能にも様々な要素がありますが、ユーザーが最も意識するのは「バッテリーの持ち」だと思われます。数ある「互換品バッテリー」の中でも高品質なものになると、この「バッテリーの持ち」に関しては純正品に劣らない性能になってきます。そうした高品質バッテリーに交換することで「交換してから持ちが良くなった」と実感することができるでしょう。ですが、実際にはそれほど高品質ではない「互換品バッテリー」が流通しているのも確かで、そうしたバッテリーに交換すると「交換したのに持ちが変わらない」だったり、最悪「交換したのに前より持ちが悪くなった」なんて事態も起こり得るのです。
そうならないための方法として最も確実なのは「正規店で交換すること」です。そして次善の策としては「信頼の置ける非正規店で交換する」こととなります。iPhone修理店の選び方についてはコチラに詳しい説明を掲載していますので参考にしていただければ幸いです。
当店のこだわり
当店で使用するパーツ(基本的に全て互換品となります)は厳選したものを用いておりますが、特にバッテリーにつきましてはこだわりを持って高品質なものを採用しております。通常、非正規店で取り扱う互換品バッテリーには「三元系リチウムイオン電池」が使われていることが多いと言われています。これは、高いレベルで品質が安定しているので、EVをはじめ多くの二次電池に採用されているバッテリーとなっています。ですがiPhoneのバッテリーとしては「コバルト系リチウムイオン電池」の方が高品質と言われており、これは、優れたエネルギー密度を持ち高い電圧を長時間・長期間保つことができることが理由となります。ちなみに純正品バッテリーもこの「コバルト系リチウムイオン電池」を採用しています。当店では、この「コバルト系リチウムイオン電池」を用いた互換品バッテリーを採用しており、高い品質をリーズナブルな料金でご提供しております。お客様の大事なiPhoneを少しでも長くご使用いただけるよう、お力になれれば幸いです。
余談 PSEマークについて
余談ですが、多くの非正規修理店様において「PSEマーク取得の高品質バッテリー使用」という表記がなされています。実はこの「PSEマーク」ですが、特に高品質を担保しているわけではないんです。というのも、本来このマークは「電気用品安全法に基づき、電気製品や材料の安全性を確認するための認証マーク」となっており、特に「高性能」であることは求められていないのです。バッテリーとしての性能として重要な「電圧」「容量」「出力」「寿命」などが低レベルであったとしても、しっかりとした作りでショートや漏電による事故が起きにくいものであれば良いのです。そして近年では、そもそも「PSEマーク未取得のバッテリー」は法的に流通できない(付いてて当たり前)ため、あえてそれを宣伝する意味はないのです。では何故多くの非正規修理店様においてこの表現が用いられているかと言えば「PSEマーク未取得品が出回っていた時代の名残」ということと「他に客観的にバッテリーを評価する指標・基準がないから」ということが言えると思います(あくまで当店の見解です)。
バッテリー交換後の仕様
iPhoneXS・XR以降に発売された機種については、バッテリー交換後に「バッテリーに関する重要なメッセージ」「不明な部品」といった警告文が表示されます。表示場所や表示期間は「iOS」のバージョンによって異なりますが、主に「設定」アプリ内で表示されるようになります。この警告文は表示場所により交換後一定期間で非表示にになるものもありますが、全てが非表示になることはありません。合わせて、本来であれば「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態と充電」で表示される、バッテリーの「最大容量」が非表示になるという仕様になっています※。
この状態であっても「充電」「給電」は問題なく行うことができ、通常の使用において特に支障はありませんので、そこはご安心ください。但し、後々に以下の問題点が発生することがございます。
- 中古端末としての買取査定額が低くなる
- 次の交換時期がわかりにくくなる
これらの問題が許容できるという方でなければ、当店の様な非正規店でのバッテリー交換はおすすめできません。どうしても気になるという方は、正規店での交換をおすすめします。
※最新の「iOS18.1〜」ではバッテリーの「最大容量」表示が復活ました